エアープランツとして知られるティランジア(Tillandsia)を専門に扱うお店です。海外の生産者から輸入したものを中心に取り揃えております。ホームセンターや一般の園芸店ではなかなか見る事のできない珍しいティランジアも是非当店でご購入してください。栽培方法や楽しみ方等も気軽にお尋ね下さい。
【ティランジアの管理方法】
Ⅰ.光量
光源は明るい太陽光が一番。春~晩夏までは30%程度の遮光をかけます(暑さ対策も兼ねて)、屋内ではレースカーテン越しくらいが丁度良いと考えます。真夏の暑い直射日光は好みません。光とともに空気が常に循環している事が重要であり、遮蔽物はなるべくない方が良いです。一日の内で光の当たっている時間は6時間もあれば十分成長してくれます。LED等の人口の光に頼る時には全スペクトルの出る蛍光灯か、植物育成用LEDの使用をオススメします。LEDであればタイマーで一日12時間は光があたるように管理します。太陽光では出せない魅力的な色合いやトリコームとなって仕上がってくれます。
Ⅱ.水遣り
日本の冬は乾燥します。できれば加湿器があると良いです。「週に2.3回チランジア全体を完全に濡らしてください。」と栽培方法に良く書かれていますが、ソーキング(バケツの水につけとく)するのも大変です。大切なのは空中の湿度が十分にある時間です。水やり後にティランジア周囲に適度に湿度が保たれた状態が続き、4時間程度で草体全体が乾く程度がベスト。20度超えたら毎日水やりで構いません。この管理で夏以外は葉先の枯れこみも問題ない状況です。夏は蒸れやすいので、窓が開閉できる環境にない場合は屋外の明るい所に遮光し管理するのが良いです。真夏はたまーに暇な日に溜め水でソーキングしたりはしてます。鉢植え管理ならソーキングは不要です。水の量はそんな所、質に関しては、できればカルキ等のない溜め水がベストです。十分な水遣りをしていれば葉はピンと立ちます、水が足りないと葉が内側に湾曲し丸まります。なにより持った時に軽く感じます。夏場は特にですが、暑さで代謝が鈍る時期に生長点部分に水が溜まらないようにしてください、熱い水が溜まった状態が続くと生長点から腐ります。生長点が腐ると復活できません。
Ⅲ.温度
ティランジアの最適温度範囲は15℃~32℃程度。中には20度以上をキープしたほうが良い種もいます。基本は熱い土地の植物ではありますが、日本の夏は異常です。日本の一日中ジメジメムシムシな環境はティランジアにとっては試練の夏になってしまいます。適切な管理で8月9月を乗り越えましょう。基本的には風が当たっていれば株が冷えてくれるので夏越しも問題ありません。日陰で夏を耐えても良いでしょう。日本の気候に順化している個体は冬越しも楽です。ベランダ等で栽培される場合は最低気温は10度を切ってきたら室内に取り込んで管理した方が良いです。強健な種は年中外管理の雪が降っても大丈夫なものもありますが。
Ⅳ.肥料
当方ではティランジア専用肥料を使用しています。なかなか手に入らないので、代用としては蘭用の肥料を薄めて使用して問題ありません。鉢植えの観葉植物に使用されるハイポネックス等は葉からの吸収のみを想定して作られていないので吸収率が悪いようです。使っても支障はないですが、使用時は1000倍から2000倍に薄めて使用してください。基本的には肥料をやると、大きくなるのも早いですし、開花や子株の数も増えます。じっくり育てた方が自生地のようなキレイな草姿に仕上がりますので、あまりやり過ぎないほうが趣味家としては良いかと思います。
Ⅴ.着生
私はコルクがおすすめ。そのほか流木、バークチップ、貝殻、溶岩様々なものにマウントできます。非水溶性の接着剤を使って付けるのが簡便ですが、あまり自然な状態とは言いがたいです。接着面を隠すために乾燥ミズゴケやおがくずでカモフラージュしたほうが良いでしょう。道具があれば、ドリルで穴をあけて、乾燥した根を通し、タッカーやホチキスで止めるのも良いでしょう。また、針金を使用して、マウント材にくくりつけておけば、根を伸ばして自身で活着してもくれます。
Ⅵ.置き場所
空気の動きがある場所、雨のかからない場所を選んでください。良く見るガラスのポットの中は長く置いておくと枯れます(ディスプレイという意味ならOKですが、飾って1週間もしたら、適切な場所で元気を取り戻してあげましょう)空気の動きがないと病原菌が繁殖しやすく、水も蒸発しにくい為、冬場などは濡れたままで寒い夜を迎えてダメージを受けてしまいます。人の行き来やエアコンの風が直接当たらない程度の流れがあればよいです。
バークチップやコルクに着生させて管理するのが良いですが、鉢植えでも栽培できます。鉢植えの場合は素焼きのポットにベラボンかバークチップ、軽石をいれてその上に置いて管理します。グラつくようであれば、針金を底からかけて、根を引っ張って固定します。
Ⅶ.入手後のケア
ホームセンター等で購入した場合は多くは水切れの状態です。ソーキングして風通しの良い温度の安定した場所で3日程度は養生してあげましょう。株を選ぶ時には重いものや葉が水水しいもの、できれば生きた黄色の先端の根があるものがベストです。
Ⅷ.楽しみ方
我が家では自宅ベランダの温室とキッチン前の出窓スペースでティランジアを栽培しています。温室で開花しそうな株はキッチンに持っていき、ディスプレイして開花を楽しみ、また温室で育てるといった感じです。飾っている間の管理はスプレーで水やりして、生長を促す時にはしっかり温室で湿度をあげた状態での水やりに切り替えています。基本的に強い植物なので、水やりを多少さぼっても死んでしまう事はないですが、花を見たい、かわいい子株を育てたいと思った時にはこまめに水やりと置き場所や植物育成用LED等への設備投資を怠らないようにしましょう。開花すれば子株がでるので、子株を売り買い、交換するのも一興です。